アップル向け有機EL需要
第30回 DSCC田村のFPD直球解説 (電子デバイス産業新聞)
アップルのiPhone 2020年ハイエンドモデルの発売は、例年の9月から1~2カ月遅れることになりそうだ。例年なら5月からパネル(セル)の生産、7月中旬からセット生産という流れだが、今年はパネル取り込みの動きがまだない。新型コロナウイルスの影響に加え、独自のRF部品であるアンテナ・イン・パッケージの開発に手間取ったことが要因。
一方、ローエンドモデルも遅れてはいるが、計画どおり販売を開始する見込みだ。しかし、2017年のiPhone Xのように、発売当初はしばらく品薄となりそうだ。
2020年モデルは、5.4インチ、6.1インチが2モデル、6.7インチの計3サイズ4モデルがリリースされる予定。すべて5G対応の有機EL搭載だが、5.4と6.1のローエンド機種が従来の液晶モデル置き換え、6.1と6.7がハイエンドモデルとなる。ローエンド有機EL 2モデルの製品価格は従来の液晶モデル並みが想定されている。
有機ELはサムスンディスプレー(SDC)とLGディスプレー(LGD)が供給する見込み。BOEも認定取得に向けて提案を継続しているが、年内の取得は難しそうだ。
4モデルのうち、5.4と6.7はSDCが単独供給する。これに伴い、5.4と6.7にはSDCのオンセルタッチ技術「Y-OCTA」が採用され、ドライバーICの実装技術も従来の有機EL搭載モデルのCOF(Chip on Film)からCOP(Chip on Plastic)に変わる。フィルムが不要になるため薄くでき、コストもCOG(Chip on Glass)と同等まで下がる見込みだ。
3機種4モデルがすべて有機ELになるため、アップル向け有機EL需要は1億枚弱に達する。これで7~12月期のパネル出荷枚数が大きく伸びて過去最高に達し、SDCのA3ライン稼働率も下期には80%弱にまで改善するとみている。
本記事の出典調査レポート
Quarterly OLED Shipment Report
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