田村喜男の直前解説!第四弾「FPD製造装置投資額」
田村喜男の直前解説!第四弾「FPD製造装置投資額」
最終回の本稿では、講演資料の第二章『FPD投資動向/基板投入能力』において解説するFPD製造装置投資額の見通しを紹介する。対象はLCDとOLEDであり、OLEDに関してはモバイル用とTV用投資を分けて解説する。なお、ここでの投資額は、業界標準の装置設置完了のインストールベースとしている。
COVID-19の影響により、2020年内に予定されていた装置搬入設置が一部2021年に持ち越されている。FPD全体の製造装置投資額は、2020年前年比18%減125億USD、2021年5%増131億USDの見通しとなっている。2022年以降の投資は計画中ではあるが、未発注案件である。
LCD投資は2022-23年で終息に向かいそうだ。COVID-19の影響で、BOE B17工場の4ライン目の装置設置が2021年に持ち越されている。G10.5工場投資は、BOE、China Starの2021年投資以降の具体的案件は上がってこない。その他、HKCがG8.6でH4、H5工場の投資を継続している。中国政府の補助金は、10.5世代LCD TV用ライン投資からOLED TV投資に向かっており、今後はOLED TV投資の動きが注目される。
モバイル用OLED投資は、2020-21年は中国メーカーの投資に依存する。COVID-19の影響で2020年内に予定されていた装置搬入設置が一部2021年に持ち越されている。2022年のSDC A4工場投資は、2021年のOLED事業次第で投資時期変更の可能性がある。2023年以降の投資は中国の次期工場投資であるが、BOEのB15は特に不透明である。
TV用OLED投資は、2019年のLGD中国GP3、2020年のSDC QD OLED第1ラインが大きな案件であった。OLED TV用パネルの今後の投資案件 (いずれも製造装置未発注) は、1) SDCのQD OLED第2-3ライン (OLED工程はA5工場)、2) China StarのインクジェットOLED: G8.5とG6ライン (T8/T9工場)、3) BOEのB16 WOLED工場、4) LGDのP10 G10.5工場があげられる。
講演資料では、上記の投資計画を年別・メーカー別のチャートで示し、投資計画時期についても言及する。
下図) FPD製造装置投資額の見通し
出典) DSCC Quarterly Display Capex and Equipment Market Share Report