BOE、第8.7世代IT用OLED生産ラインB16を正式発表
この記事は12月4日付 (米国時間) のDSCCグローバルブログ BOE Formally Announces B16 G8.7 IT OLED Fab をDSCC Japanのスタッフが全文和訳したものです。
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BOE Formally Announces B16 G8.7 IT OLED Fab
BOEが先週、政府の承認を受け、第8.7世代IT用OLED生産ラインであるB16を正式に発表した。この生産ラインはChengduを拠点とし、所有比率はBOEが53%、Chengdu人民政府が47%となる。ガラス基板サイズは2290mm x 2620mmで、第8.7世代と呼ばれるものである。基板投入能力は月間3万2000枚、建設には34ヵ月を要する見込みだ。BOEはこのプロジェクトの総設備投資額を88億ドルと発表した。SDCとLGDが推進している高移動度酸化物バックプレーンではなくLTPOバックプレーンを採用する見込みで、BOEとSDC/LGD間のマルチソーシングが問題になるかもしれない。DSCCが Quarterly Display Capex and Equipment Market Share Report で数値化したところによると、装置投資額もLTPOと高移動度酸化物ではLTPOの方が高くなると見られる。同レポートではB16の発注時期も予測しており、直近の第1フェーズが2024年3月で納入は2025年中盤、2026年末までに生産開始と推測している。DSCCではBOEはFMM VTE (Fine Metal Mask Vacuum Thermal Evaporation: 微細金属マスク加熱真空蒸着) サプライヤーをまだ決定していないと見ており、Canon Tokkiがその座を勝ち取ると予想しているが、ツールコストが大きな懸念材料となっている。
ターゲット用途はノートPCとタブレットになると見られる。DSCCでは、ノートPC/タブレット用OLED市場は2023年の800万枚から2027年には4200万枚に拡大し、ノートPC/タブレット市場全体に対するシェアは2023年のわずか2%から2027年には10%に上昇すると予測している。