2023年のAdvanced (先端技術FPD搭載) TV市場は前年比1%減も、2024年は回復予測
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この記事は10月9日付 (米国時間) のDSCCグローバル発プレスリリース DSCC Expects the Advanced TV Market to Decline 1% Y/Y in 2023 – Recovery Expected for 2024 をDSCC Japanのスタッフが全文和訳したものです。
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DSCC Expects the Advanced TV Market to Decline 1% Y/Y in 2023 – Recovery Expected for 2024
DSCCの Quarterly Advanced TV Shipment and Forecast Report 最新版によると、2023年のAdvanced (先端技術FPD搭載) TV出荷は数量、金額ともに減少の見通しだが、2024年には出荷数が前年比4%増の2200万台、出荷額が前年比6%増の254億ドルに到達すると予測されている。このレポートでは最先端のTV技術 (WOLED、QD-OLED、QDEF、MicroLED、MiniLED、解像度4Kおよび8K) を含む、世界のプレミアムTV市場を対象としている。技術、地域、ブランド、解像度、サイズなどの項目ごとに現在と将来のTV出荷数と出荷額を調査、これらすべての技術の成長を予測している。
DSCCでは2023年の出荷数を前年比1%減、出荷額を前年比9%減と予測している。OLED TVの出荷数は前年比19%減、出荷額は前年比21%減、Advanced LCD TVの出荷数は前年比7%増、ブレンドASP (平均価格) の前年比7%下落が見込まれるため、出荷額は前年比6%減となる見通しだ。
DSCCのシニアディレクターであるDavid Naranjoは次のように述べている。「Q2’23に前年比4%増となったAdvanced TVの総出荷数はその後、Q3’23に前年比5%増となり、Q4’23には新学期やホリデーシーズンなどの季節要因で前年比6%減になると予測される。Q4’23の前年比減少はQ4’22との厳しい比較によるものだ。Q4’22にはパンデミック後の中国の経済再開と旧正月に期待される季節要因や販促が見込まれたため、ブランド各社の出荷が第4四半期の季節性を考慮した例年のボリュームを上回った」。Q4’23にはブランド各社がより慎重なアプローチを取るとDSCCは見ている。OLED TV出荷数は価格下落の継続とホリデーシーズンの販促などにより、Q3’23には前年比18%減、Q4’23には前年比 29%減になると予測されている。Advanced LCD TV出荷数については、強力な季節性、価格プロモーション、ホリデーシーズンのディスカウントといった要因から、Q3’23には前年比16%増、Q4'23には前年比6%増になると見られる。Advanced LCD TV出荷数の前年比増加は、OLED TVと比べてASP (平均価格) の下落スピードが速いためである。一例を挙げると、2023年は大画面サイズのAdvanced LCD TVのASPが65インチで前年比4%下落、75インチ/77インチで前年比6%下落の一方、OLED TVについては65インチで前年比9%下落だが77インチで前年比14%上昇とDSCCでは予測している。
最新の長期予測では、Advanced TVの総出荷数は2023年から2027年にかけて年平均成長率9%で増加し、3000万台に達する見通しである。OLED TV出荷数は2023年から2027年にかけて年平均成長率13%で920万台に増加すると予測されている。Advanced LCD TV出荷数は2023年から2027年にかけて年平均成長率7%で2060万台に増加する見通しだ。2027年にはQD-OLEDを含むOLED TVがAdvanced TV全体の31%を占めると見られる。
Advanced TV出荷額は2023年から2027年にかけて年平均成長率5%で増加し293億ドルに達すると予測されている。OLED TV出荷額は2023年から2027年にかけて年平均成長率7%で成長し113億ドルになると見られる。Advanced LCD TV出荷額は2023年から2027年にかけて年平均成長率1%で成長し163億ドルになると予測される。Advanced LCD TV出荷額シェアは2023年の64%から2027年には 55% に低下すると見られる。
Advanced TVカテゴリーは数量ベースではTV市場全体のごく一部にすぎないが、テクノロジー戦争におけるあらゆる「アクション」の立ち位置を表すものである。LCD陣営のチャンピオンはMiniLEDだ。画面サイズ別MiniLED TV出荷予測を示すのが以下の最後のグラフである。MiniLED TVは2019年にTCLによって導入されたが、2020年の販売量は非常に少なかった。TCLに続いて2021年にはSamsungとLG、2022年にはSonyを含む他の主要ブランドの大多数がMiniLED TVを導入した。プレミアムTV市場では、MiniLED、白色OLED、QD-OLEDの間の争いが続くと見られる。第10.5世代 LCD生産ラインにより、最大の画面サイズクラスではMiniLEDがOLEDよりもコストと価格で有利になると予測される。MiniLEDと大画面は8K TVへの道筋の中心となるだろう。2022年からは8K TVの大部分がMiniLEDテクノロジーを採用している。
複数のパネルメーカーの継続的成長と十分な生産能力により、2027年にはMiniLED LCD TVの出荷数がOLED TV (QD-OLEDを含む) の出荷数を超えると見られ、LCD TV (MiniLEDおよび標準バックライト搭載モデルの両方) は今後もAdvanced TVの出荷数シェア60%以上を維持すると予測される。
DSCCの Quarterly Advanced TV Shipment and Forecast Report では、すべての主要Advanced TVディスプレイテクノロジーの技術解説に加え、Q4’23までの四半期別出荷実績をテクノロジー/地域/ブランド/解像度/サイズの各項目別にソートすることができるピボットテーブルと、出荷数、出荷額、平均価格、その他の指標についての分析を提供しています。また、2027年までの四半期別予測をテクノロジー/地域/解像度/サイズの各項目別に提供しています。