iPhone 15シリーズ用パネル出荷数、iPhone 14シリーズ用を超える

Published July 24, 2023
Logout

出典調査レポート Monthly Flagship Smartphone Tracker の詳細仕様・販売価格・一部実データ付き商品サンプル・WEBご試読こちらから お問い合わせください。

この記事は7月24日付 (米国時間) のDSCCグローバル発プレスリリース DSCC Reports Panel Shipments for the iPhone 15 Series to be Higher than the iPhone 14 Series をDSCC Japanのスタッフが全文和訳したものです。

これらDSCC Japan発の分析記事をいち早く無料配信するメールマガジンにぜひご登録ください。ご登録者様ならではの優先特典もご用意しています。【簡単ご登録は こちらから

7月末が近づき、AppleがiPhone 15シリーズを発表するまで2ヵ月を切ったが、DSCCの Monthly Flagship Smartphone Tracker 最新版では、6月から8月のiPhone 15シリーズ用パネル出荷数が同時期のiPhone 14シリーズ用パネル出荷数よりも大幅に多くなっていることが明らかにされている。

iPhone 15シリーズの現在のパネル出荷構成では、6月から8月にかけてのProモデルのシェアは同時期のiPhone 14 Proモデルよりも高くなると予測される。iPhone 15シリーズでは、iPhone 15で6.12インチ、iPhone 15 Plusで6.69インチという画面サイズの大型化、ダイナミックアイランド、A16 Bionicチップセット、USB-Cポートなど、一連の改良が加えられると見られる。iPhone 15 Proモデルについては、3nm A17 Bionicチップセット、超薄型ベゼル、チタンシャーシの採用、効率向上のためのバッテリースタック技術の利用、Wi-Fi 6E、RAMの増加が予測される。また、AppleはProモデルの発売開始価格を、iPhone 15 Proでは999ドルから1099ドルに、iPhone 15 Pro Maxでは1099 ドルから1199ドルに値上げすると見られる。これが実現した場合、iPhone 15シリーズのブレンドASP (平均販売価格) は2022年の同時期のiPhone 14よりも大幅に高くなるだろう。

SDCはiPhone 15シリーズ用パネル出荷で圧倒的シェアを占めているが、これはBOEとLGDがダイナミックアイランドやGDS (ダークスポットの拡大) などの技術的課題に直面しているせいである。「LGDがiPhone 15 Proモデルの狭ベゼルへの対応で技術的問題を抱えている」と報じる記事が複数見られたが、同社はこの問題を解決済みだとDSCCのサプライチェーン情報筋は述べている。iPhone 14 ProおよびiPhone 14 Pro Maxにダイナミックアイランドが導入されたとき、Appleの要請に従ってプロセスステップが追加された。従来、フロントカメラとFace IDエリアの穴については後工程 (モジュールプロセス) でレーザーを使用してHIAA (hole in the active area) に穴をあけていた。TFE (薄膜封止) が損傷するとOLEDパネルが湿気や酸素にさらされ、ダークスポットが発生する可能性がある。ダイナミックアイランドには、ダイナミックアイランドのフォームファクターと融合して見える2つの穴 (カメラ用とFace ID用) がある。Appleは、レーザー粒子の散乱と制御、また湿気や酸素によるTFEの汚損の可能性を懸念していた。そのため、レーザーを使用する代わりに追加の感光層 (TFEとタッチ電極の追加後にHIAAを表示領域から分離する「ダム」が実質的に構築される) が用いられ、HIAAの高さの不均一はインクジェット装置でさらに平坦化される。

DSCCの7月および8月の予測では、BOEがiPhone 15 Plus用パネル出荷を8月に開始すると見ている。SDCは6月にパネル出荷を開始、LGDは7月にパネル出荷を開始した。SDCはiPhone 14、iPhone 13、iPhone 12シリーズに提供してきたものと同様のパネルを、iPhone 15の4モデルすべてに供給すると予測されている。LGDはLTPO OLEDパネルをiPhone 15 ProおよびiPhone 15 Pro Max用に供給すると見られる。

以下のグラフは、iPhoneシリーズのモデル別シェアの実績と今年7月から8月の予測を示している。

モデル別iPhoneシリーズ用パネル出荷シェア
Source: DSCC's Monthly Flagship Smartphone Tracker (Panel Shipment Basis)

Monthly Flagship Smartphone Tracker に掲載された、フラッグシップスマートフォンのブランドおよびモデルを対象としたパネル出荷、チップセット、TFTバックプレーンなどのトレンドについて詳しく知りたいお客様は お問い合わせ窓口 までご連絡ください。

Monthly Flagship Smartphone Tracker
には、主要スマートフォンブランド全社の全モデルを対象としたフレキシブルOLEDおよびフォルダブルOLED出荷の月間実績データと2ヵ月分の予測データを収録しています。

すべてのフラッグシップモデルを対象に、月間出荷数を以下の項目別に提示します。

  • ブランド
  • モデル
  • ディスプレイサイズ
  • フォームファクター
  • フォルダブル型フォームファクター
  • パネルメーカー
  • TFTバックプレーン
  • 解像度
  • ホール/ノッチ/UPC
  • リフレッシュレート
  • CoE (カラー・オン・エンカプスレーション)
  • MLA (マイクロレンズアレイ)
  • チップセットメーカー
  • チップセット
  • 標準輝度
  • ピーク輝度
  • デバイス発売日

Monthly Flagship Smartphone Tracker は、FPD材料メーカー、パネルメーカー、OEM、技術開発企業、ブランド、通信会社、財務アナリストなど、OLEDスマートフォンのサプライチェーンに関わるすべての皆様のお役に立つ優れたツールです。ブランド/モデル/パネルメーカー別のパネル出荷実績と短期予測、近日発売予定の次期モデルをご確認いただけます。

DSCCではこのほか Quarterly Advanced Smartphone Display Shipment and Technology Report も発行しています。このレポートでは、主要スマートフォンブランド全社を対象としたパネル出荷の四半期実績と詳細なモデル仕様、およびトレンドのデータを提供しています。ブランド別、モデル別、またすべてのディスプレイおよび非ディスプレイパラメータ別に、OLED搭載スマートフォンセットおよびスマートフォン用OLEDの出荷数データ、出荷額データを掲載、過去実績および今年度見通しは四半期ベースで、2027年までの予測は年間ベースで提示します。さらに、スマートフォンに適用可能なOLEDのテクノロジーとイノベーションのトレンドに関するインサイトも提供します。DSCCのデータベースに収録しているAMOLEDスマートフォンの構成は1300以上にのぼり、基板、TFTバックプレーン、パネルメーカー、リフレッシュレート、チップセットメーカー、設計ルール、5Gネットワークなどの項目によるバリエーションを含んでいます。

出典調査レポート Monthly Flagship Smartphone Tracker の詳細仕様・販売価格・一部実データ付き商品サンプル・WEBご試読こちらから お問い合わせください。

Image Description
Written by

David Naranjo

dave@displaysupplychain.com