Q3’23のフォルダブル型スマートフォンおよびパネル出荷、Samsungの好調で過去最高を記録するも、Q4’23はSamsungとSamsung Displayのシェアが急落の見通し

Published December 6, 2023
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出典調査レポート Quarterly Foldable/Rollable Display Shipment and Technology Report の詳細仕様・販売価格・一部実データ付き商品サンプル・WEBご試読は こちらから お問い合わせください。

この記事は12月6日付 (米国時間) のDSCCグローバルプレスリリース Foldable Smartphones and Displays Reach Record High in Q3’23 on Samsung Strength, But Samsung and Samsung Display Expected to Lose Significant Share in Q4’23 をDSCC Japanのスタッフが全文和訳したものです。

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Samsung Z Flip 5とZ Fold 5の発売に加え、中国を中心に他にも多数のフォルダブル型スマートフォンの発売と成長が続き、Q3'23はフォルダブル型スマートフォンおよびパネルにとって記録的な四半期となった。

Q3'23のフォルダブル型スマートフォン出荷数は前期比215%増、前年比16%増の700万台で予測を 1%上回り、過去最高だったQ3’22の610万台を16%上回った。Samsungは欧州需要で圧倒し市場シェアトップを維持したが、競合他社が出荷数増加を目指し発売モデル数を増やしていることから、Samsungのシェアは昨年の86%から72%に低下している。第2位はHuaweiでシェア9%、第3位はHonorでシェア8%だった。また、SamsungがGalaxy Z Flip5でシェア45%、Galaxy Z Fold5でシェア24%を獲得し、予想通りベストセラー上位2モデルとなった。HuaweiとHonorが第3位から第5位を占めており、Huawei Mate X3がシェア6%、Honor Magic V2がシェア6%、Huawei Mate X5がシェア3%を獲得している。

Q4’23のフォルダブル型スマートフォン出荷数は前期比35%減、前年比47%増の360万台で従来予測を12%下回るとDSCCは見ているが、その要因として、Samsungの出荷が予測以下になることと、導入がQ4’23後半からQ1’24に延期される新製品があることを挙げている。SamsungのZ Flip5とZ Fold5の出荷数が予測を下回るため、同社のブランドシェアは昨年の83%を大きく下回って42%に低下する見通しだ。Q4'23にはHuaweiとHonorが大きくシェアを伸ばす見込みで、Huaweiは21%、Honorは19%に急上昇すると見られる。Mate X5はシェア15%でZ Flip 5のシェア22%に次ぐ第2位に浮上する見通しだ。Honor Magic V2はベストセラーモデル第3位に浮上、Samsung Z Fold5はシェア12%で第4位に転落すると予測される。2023年通年のフォルダブル型スマートフォン出荷数は23%増の1580万台になる見通しだ。2023年通年の上位5モデルは、Samsung Galaxy Z Flip5、Z Fold5、Z Flip4、Honor Magic V2、Huawei Mate X5になると見られる。

DSCCではフォルダブル型スマートフォン出荷数について、ブランド、モデル、FPDメーカー、フォームファクター、リフレッシュレート、TFTバックプレーン、カバーウィンドウ、チップセットメーカー、カメラ数、ホール vs. UPC、価格などの各項目別に、2027年までの予測を提供している。また、フォルダブル型ノートPCとタブレットの出荷数についても、ブランド、サイズ、FPDメーカーなどの項目別に、2027年までの予測を提供している。

DSCCのCEOであるRoss Youngは次のように述べている。「2023年はフォルダブル市場にとって吉凶入り交じる年となった。Huaweiが足場を固めて大きなシェアを獲得したこと、Google、OnePlus、Tecnoなど多数の新規参入があったこと、デバイスの厚さ、重さ、継ぎ目の目立ちにくさなどで目覚ましい向上が見られたことがプラス要因だ。また、中国系FPDメーカーが出荷数を増やしてSamsung Displayからシェアを奪っており、LTPO、POL-LESS、UTGなど、以前はSamsung Displayしか実現できなかったイノベーションの導入も多く見られた。しかし、Androidスマートフォン市場でハイエンドの低迷が続いているため、2023年のフォルダブル型スマートフォン出荷数はQ1’23予測を15%下回る結果となりそうだ」

フォルダブル型スマートフォン出荷数
Source: DSCC’s Quarterly Foldable/Rollable Display Shipment and Technology Report
フォルダブル型スマートフォン ブランドシェア
Source: DSCC’s Quarterly Foldable/Rollable Display Shipment and Technology Report

Q3'23のフォルダブル型パネル出荷数は前期比106%増、前年比41%増の890万枚で、こちらも過去最高を記録した。Samsungの新発売のほか、Q3’23とQ4’23に見られた多数の新モデル発売も貢献した。Q3’23実績は従来予測を3%上回った。Samsung Displayのシェアが74%と圧倒的で、Q2'23の63%から上昇したもののQ3'22の91%からは低下している。第2位はBOEでシェア18%、Q2'23の25%から低下したもののQ3'22の4%からは上昇している。Q4'23はBOEがHuawei、Honor、Oppo向けの出荷数を大幅に増やし、SDCを上回ると見られる。Huaweiは5Gチップソリューションを手に入れてフォルダブル市場への取り組みを強化、パネル調達量で初めてSamsungを上回ると予測される。VisionoxもHuaweiとHonorへの出荷数増加でシェアを伸ばしており、Q4’23には過去最高のシェア18%に到達すると見られる。

DSCCではフォルダブル型スマートフォン用パネル出荷数について、ブランド、モデル、サイズ、リフレッシュレート、TFTバックプレーン、カバーウィンドウ、チップセット、ホール vs. UPC、価格などの各項目別に、2027年までの予測を提供している。また、主要モデルのフォルダブル型パネル製造コストについても、カバーウィンドウ開発に関するインサイトと併せて提供している。

フォルダブル型スマートフォン用パネル出荷数
Source: DSCC’s Quarterly Foldable/Rollable Display Shipment and Technology Report
フォルダブル型スマートフォン用パネル FPDメーカー別出荷数シェア
Source: DSCC’s Quarterly Foldable/Rollable Display Shipment and Technology Report

出典調査レポート Quarterly Foldable/Rollable Display Shipment and Technology Report の詳細仕様・販売価格・一部実データ付き商品サンプル・WEBご試読は こちらから お問い合わせください。

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Written by

Ross Young

Ross.Young@DisplaySupplyChain.com