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FOR IMMEDIATE RELEASE: 07/06/2023
成長するフォルダブル有機EL
DSCC アジア代表・田村喜男DSCC Japan (東京) -
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第64回 DSCC田村のFPD直球解説 (電子デバイス産業新聞)
FPD市場がまだ回復途上にあるなかで、フォルダブル有機ELは成長が続いている分野の一つだ。これまでは韓国勢が事業化の先鞭をつけ、スマートフォンやタブレットのフラッグシップモデルに搭載してきたが、足元では中国勢がパネルの生産拡大と搭載モデル数を積極的に増やす流れにあり、2023年下期~24年初頭にかけて新製品が続々と登場しそうな情勢にある。
当社は Quarterly Foldable/Rollable Display Shipment and Technology Report の最新号において、フォルダブルスマホの2023年出荷数見通しを4%引き上げ、前年比50%増の1930万台とした。中国の有機ELメーカーが供給するパネルの大幅な価格下落によって、製品価格の下落と需要の拡大が見込まれるためだ。フォルダブル有機ELが登場した当初、パネル価格はブック型向け200ドルを超える水準だったが、直近の中国製パネルはクラムシェル型向け100ドルを下回るまでに下がっており、これが端末各社の搭載意欲向上につながっている。量産供給するメーカーもBOE、CSOT、Visionoxと多様化してきた。
中国スマホブランドのHonorは、7.9インチを搭載したインフォールドタイプのMagic VSを2023年下期に発売予定であるほか、6.8インチを搭載したクラムシェルタイプも発売する見込み。パネルは、前者がBOE製、後者がVisionox製になるとみられ、特に後者はフォルダブル端末として破格の599~699ドルになるのではとみられている。
Huaweiは、7.85インチのMate X3ハイエンドモデルを7~9月期に発表する見込みであるほか、2022年11月に6.9インチで発売したPocket Sの後継モデルを10~12月期に発売する見通しだ。また、OPPOも下期にFind N3とFind N3 Flipを発表する予定で、このパネル受注をBOEとSamsung Display (SDC) が競っている。
Vivoは、2024年初頭にX Fold 3と次期X Flipを発売する予定で、パネルの出荷が10~12月期に始まる。前者は8.03インチ、後者は6.74インチになる見込み。Tecnoは、低価格帯のクラムシェル端末を10~12月期に発売する見込みで、これにはCSOTが6.8インチを供給するのではといわれている。さらに、MeizuもSDCから6.8インチのクラムシェル用パネルの出荷が見込まれており、端末は2024年初頭に発売される公算が大きい。
このように中国勢の商品化が相次いで見込まれるなか、これまでフォルダブル市場をほぼ独占してきたSamsungは、Z Flip 5とZ Fold 5で端末をさらに進化させる。具体的には、ヒンジの形状を従来のU字型から水滴型に変更する。曲率半径を大きくすることで、折りたたみ疲労後のうねりを66%、ひずみを57%低減することができ、端末の厚みも0.3mm薄くできるという。
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