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FOR IMMEDIATE RELEASE: 08/03/2023
遅れ気味の新型iPhone
DSCC アジア代表・田村喜男DSCC Japan (東京) -
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第65回 DSCC田村のFPD直球解説 (電子デバイス産業新聞)
今年も4モデルの発売が予定されているアップルのiPhone。今のところ例年どおり9月に発売予定だが、パネルや部材の遅れから、早くも「一部モデルは初期出荷の台数が限定される、あるいは発売時期がずれる」と噂される状況にある。
2023年は、昨年と画面サイズが変わらず、6.12インチと6.69インチが2モデルずつとなる。このうちProとPro MaxはバックプレーンにLTPOを採用する。また、前年はハイエンド2モデルにだけ採用したパンチホールを、2023年は全モデルに適用するため、ノッチ形状のモデルが姿を消す。
パネルはサムスンディスプレー (SDC)、LGディスプレー (LGD)、BOEが供給する。LGDはProの2モデルのみ、BOEは通常の2モデルのみを担当するが、両社ともに技術的な課題から供給が遅れ気味となっている。
BOEはLTPOバックプレーンの製造がまだ困難なことに加え、現在はパンチホール加工に課題を抱えているようだ。これまで中国ブランド向けに量産した経験はあるものの、アップル向けは初めてで、まだ最終認定が取れていない。このためBOEからの供給は6.69インチが8-9月、6.12インチが10月以降となり、当初予定から2-3カ月ずれ込みそうだ。
さらに、LGDも7月出荷の予定が8月にずれ込んでいる。昨年、Pro1モデルに対してLTPOのパンチホールを出荷した経験があるものの、2モデル供給となる今年はBOEと同様に最終認定の取得に手間取っている。
アップルは、パネルの調達コストを下げるため、SDCからの調達比率を下げる取り組みをここ数年続けてきた。2023年のiPhone向けパネル調達量 (旧モデル含む) は2.25億台と前年比微増になる見込みだが、3社の内訳はLGDが5500万台、BOEが3500万台、残りがSDCとなり、結果として「SDC頼み」の状況を昨年から改善するまでには至らなさそうである。
初期出荷台数が足らないのではと噂される理由は、パネル以外にもある。今年からProの2モデルに搭載予定であるZomカメラ (ペリスコープ) もLGイノテックが組立作業に課題を抱えているもよう。さらに、下位2モデルのカメラに採用される3層構造のCMOSイメージセンサーもソニーが歩留まり確保に苦戦しているとされる。
こうした数々の理由からフォックスコンにおける端末も組立・出荷予定も7月から8月に延びており、発売までに当初の計画ほど台数を積み上げられないかもしれない。
余談だが、2024年にBOE製6.1インチパネルを採用して発売が検討されていたiPhone SE4だが、BOEへの要求価格が38ドルの超低価格ということなどもあり、BOEが難色を示している。この間隙を縫って、天馬微電子とビジョノックスが受注獲得に動き始めており、製品リリースタイミングは2025年に延期されそうだ。
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