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FOR IMMEDIATE RELEASE: 04/15/2024
有機EL G8.7投資本格化、ハイブリッド構造など新技術も進展~4/25セミナーで解説
DSCC FPD技術/設備投資/製造装置担当 ディレクター Jayden LeeDSCC Korea (ソウル) -
電子デバイス産業新聞 4月特集記事
調査会社のDSCC (Display Supply Chain Consultants LLC) は、4月25日に DSCC発 FPD産業分析セミナー を開催する。韓国・中国の投資動向に詳しいFPD技術・製造装置担当ディレクターのJayden Lee氏に、講演のホットトピックスなどを伺った。(聞き手&構成: 電子デバイス産業新聞 澤登美英子記者)
―2024年の投資動向について教えてください。
Lee 2024年はITパネル向け有機EL工場の投資に注目だ。第8.7世代 (2290×2620mm) 工場は、サムスンディスプレー (SDC) のA6工場、BOEのB16 (フェーズ1)、ジャパンディスプレイ (JDI)、ビジョノックスのV5工場の計画が進んでいる。SDCは3月8日に搬入式を行い、4月から本格的に装置を設置している。BOEでは3月27日に起工式が行われ、フェーズ1の装置の搬入は25年9月よりも前に開始すると見ている。フェーズ2はまだ装置メーカーなどは決まっておらず、装置搬入27年1-3月期になる見通しだ。安徽省蕪湖市で進めているJDIのフォトリソ方式で製造する「eLEAP」の拠点については、先般、契約締結予定が10月末までに延期すると発表されたため不確定要素となったが、同じ安徽省で進めているビジョノックスのV5については投資がほぼ確定し、26年1-3月期に装置搬入となる見込みだ。
―LGディスプレー (LGD) の動向については。
Lee LGDは、2024年内の投資の判断は留保した。当面は業績改善に注力していくが、もしG8.7/有機EL拠点整備に投資するとなれば、装置メーカーの動向を考慮すると、27年10-12月期が最短スケジュールになるのではないかと見ている。LGDの売上げにおいて、アップル向けビジネスの割合が大きいため、開発自体は注力し進めている。また同社では、アップル向けのパネル生産が無い時期に、AP4工場でハイブリッド有機ELを量産する計画を進めている。これは、ガラス基板上に形成した有機ELを薄膜封止 (TFE, Thin Film Encapsulation) した構造で、軽量、薄型化に効果的な技術だ。数量は多くないがノートPC向けに展開する計画で、すでにDell製品での採用が決まっている。
―液晶工場の動きは。
Lee G8.6液晶工場の投資の動きがある。中国・ライバオハイテクが、SDCから液晶工場の中古装置を購入したことがあり、福州市でIT系パネルを生産する新規投資計画を立てている。IT系のほか、イーブック向けのフルカラーパネルも展開する計画だ。これらG8.7、G8.6工場の動向から、2024年のパネル投資は金額ベースで23年度比46%増となる見通しだ。
―そのほか、細かな変化がありますね。
Lee 拠点投資とまではいかないが、最近の動きとして、バックプレーンをLTPSからLTPOへと切り替える動きが出てきている。中国のBOE、天馬微電子、ビジョノックスなどがG6工場で進めており、CVDやスパッタ、ドライエッチングなどの装置を導入してLTPOを手がける準備をしている段階だ。アップルが将来的に多くの製品でLTPOを採用する計画があることから、他のメーカーも追随する可能性がある。LTPOの製造は技術的に難しいため、来るべき日に備えているというところだろう。
―新しい技術の進展については。
Lee 現在、フォルダブルスマートフォンにだけ採用されているCOE (Color Filter on Encapsulation) 技術が、フラットなスマホでも徐々に採用されていきそうだ。これは円偏光板を無くし、黒のPDL (Pixel Defining Layer、赤・青・緑の各サブピクセルの隔壁材) と低温カラーフィルター、フォトレジストを用いることで円偏光板と同様の機能を持たせる技術で、2025年モデルのスマホに搭載されるかもしれないという。やはりアップルが、低消費電力にするために有機ELパネル内の円偏光板を無くす計画を立てており、今後有機ELパネルは円偏光板レスの構造が進む可能性が高い。また、今回の講演では、新技術のハイブリッド有機ELのガラス基板のエッチングプロセスについて新しく資料を作成し、詳述するので期待していただきたい。
ご案内
DSCCは、4月25日 (木) に東京コンファレンスセンター・品川5階大ホールにて FPD産業分析セミナー 2024年前期版 を開催します。本格的な回復へ進もうとするFPD市場の展望を徹底解説します。
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