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FOR IMMEDIATE RELEASE: 06/12/2024


Apple、有機ELパネルを初搭載したiPad Proを発売
DSCC アジア代表・田村喜男

DSCC Japan (東京) -

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第75回 DSCC田村喜男のFPD直球解説 (電子デバイス産業新聞)

Appleは先月、初めて有機ELパネルを搭載したタブレット端末「iPad Pro」を発売した。11.1インチと13インチの2モデルで、前者はSamsung Display (SDC)、後者はLG Display (LGD) が主にパネル供給しているが、LGDは前者の供給も一部サポートしている。

このパネルはApple向けの特別仕様で、ガラス基板と薄膜封止 (TFE) を組み合わせたハイブリッド型である。また、発光層を2層にしたタンデム構造を採用して輝度と寿命を向上。さらに、もともと0.5mmのガラス基板をエッチングで0.2mmまで薄くし、軽さを追求している。

SDC、LGDともにG6ラインで量産している。量産に向け、SDCはA3ラインの1系列をタンデム対応に改良。一方、車載用パネルでタンデムの量産実績があるLGDは、Apple向けの専用ラインを整備した。iPad Proの本体価格は、11.1インチが1000ドル、13インチが1300ドルだが、パネル価格はそれぞれ260ドル、360ドル程度 (従来のMiniLEDパネル価格を上回る) とみられる。超ハイエンドを販売できるAppleならではの価格であり、他のブランドがこの価格のパネルを採用するのはきわめて難しいだろう。

Appleは今後、有機ELの搭載をさらに広げていく考えだ。まずiPad miniへの搭載が見込まれており、2025年内に8.5インチの供給が始まる見通し。ちなみに、この8.5インチはタンデムではなく、発光層が1層 (シングル) になりそうだ。ノートPC「MacBook」向けのパネル供給もG8.7工場が立ち上がる2025年内に始まる見込み。

次いで2026年内にはiPad air向けの13インチと11インチ、そしてMacBook Air向けのパネル供給も検討されている。

液晶パネルとの価格差が大きいため、iPad全モデルが有機ELに置き換わることは当面ない。SDCがG8.7工場を無事に稼働させ、そこでMacBook用に加えてiPad用も一部製造した場合に、どの程度コストダウンできるかが注目される。

また、iPhoneと同様に、BOEが今後サプライヤーに加わってくる公算が大きい。BOEは、2026年のG8.7工場の稼働開始に先行して、G6工場である重慶B12のphase 3をタンデム対応ラインに改良、25年に本格稼働させる見通しだ。こうした開発&投資計画がスムーズに進めば、BOEはAppleだけでなく、中国ブランドのタブレットにもパネルを広く供給するようになるだろう。


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