Press Releases

田村喜男の視点 他

[7月前半号] 成長するフォルダブル有機EL

July 6, 2023

FPD市場がまだ回復途上にあるなかで、フォルダブル有機ELは成長が続いている分野の一つだ。これまでは韓国勢が事業化の先鞭をつけ、スマートフォンやタブレットのフラッグシップモデルに搭載してきたが、足元では中国勢がパネルの生産拡大と搭載モデル数を積極的に増やす流れにあり、2023年下期~24年初頭にかけて新製品が続々と登場しそうな情勢にある。続きを読む

[6月号] SIDで見た次世代FPD

June 5, 2023

5月23-25日に米ロサンゼルスで開催されたSIDに4年ぶりに参加した。想像していた以上にブース出展、参加人数ともに盛況で、当社CEOのRoss Youngが務めたキーノートスピーチには2000名様ほどが集まった。半導体業界では米中の対立が先鋭化しているが、ディスプレイ業界では以前にも増して中国企業の巨大な展示が目を引いた。ウォルマートブランドのテレビは中国のチャンホンらがOEM供給していることなどに見るとおり、ディスプレイ分野における米中の結びつきは依然として強い。続きを読む

[5月号] 底入れ感が強まるIT用パネル~G5.5以下工場の再編機運が高まる

May 9, 2023

2月から値上がりに転じたテレビ用液晶パネルに続き、IT用パネルにも底入れ感が強まってきた。ノートPC用の価格はまだ横ばいだが、モニター用は4月に一部のサイズでごくわずかながら値上がりに転じた。テレビ用の価格上昇率が5月から鈍化し、その後ピークアウトしていくことを考えると、IT用の上昇も長続きしない可能性があるが、年央には市中在庫を含めて需給バランスが正常化しそうだ。続きを読む

[3月号 後半] LCD稼働率とTVパネル価格の急上昇でキャッシュマージンが早急に黒字化へ向かう~4/11セミナーのポイント解説 (1)

March 24, 2023

いよいよLCDメーカーの本格的な収益改善の流れが見えてきた。2023年第2四半期にはLCD TV用パネルのキャッシュマージンが黒字化する勢いだ【図1】。LCD TVパネル価格が2023年1月から3月にかけて、55インチや65インチの大型サイズで5から10ドルも上昇した。4月単月でも10ドル程度の急上昇が見込まれている。その結果、【図2】のようにLCD TVパネルのキャッシュマージンが2023年第2四半期であっという間に黒字化する勢いだ。このタイミングでFPD事業が黒字化する中国メーカーが出てくるかもしれない。続きを読む

[3月号 前半] 2022年のFPD製造装置ランキング

March 1, 2023

2022年のFPD製造装置売上高ランキングでは、キヤノンが2年ぶりに首位に返り咲いた。この売上高にはキヤノントッキが含まれており、これをキヤノンとトッキに分けると、AMATが首位、キヤノンが2位、キヤノントッキが4位となる。トップ15社のうち、日本企業は半分の8社を占めた。上位25社に範囲を広げると、韓国が11社、日本が10社、米国が3社、中国が1社となり、韓国勢の躍進が目立つようになってきている。続きを読む

[2月号] 伸び盛りの車載用OLED

February 3, 2023

厳しい市況が続くFPD市場だが、車載パネルは2023年も成長が続く。23年の総出荷 (LCD+OLED)は2億枚を超える見通しで、自動車1台あたりパネル2枚以上を搭載する計算になる。電装化率の向上に伴い、今後も右肩上がりが続くはずだ。続きを読む

[1月号] 2023年TV市場の注目点

January 10, 2023

2022年のTV市場は、台数ベースで前年比7%減、面積ベースで同5%減とマイナス成長になったとみている。中国・独身の日、米国のブラックフライデー商戦ともに期待されたほどには伸びず、在庫は年央から年末に向けて減少したものの、正常化するには23年春先まで時間を要することになりそうだ。続きを読む

[12月号] 2023年の戦略的投資案件とは?~「8.7世代OLED」「OLED on Silicon」

December 1, 2022

リーマン・ショック時に近いパネル市況の悪化に伴って、FPD各社の設備投資計画は多くが凍結または延期される事態となっている。これに伴い、2023年のFPD装置需要は22年比65%減の47億ドルと大幅に縮小すると予想している。そうしたなかでも戦略的な投資案件として進められるのが、G8.7OLEDとOLEDoS (OLED on Silicon) の量産計画だ。前者はタブレットやノートPCなどのIT用、後者はAR/VRへの搭載を意図したものだ。続きを読む

[11月号] 多様化するアドバンストTV市場

November 10, 2022

大画面、高画質のアドバンストTV市場は2022年、MiniLEDバックライト技術と新型OLEDパネル「QD-OLED」の登場によって多様性が高まり、ブランド各社の競争が一段と激しくなった。だが、ロシア/ウクライナ問題や急激なインフレで需要は当初の期待ほど伸びず、2023年も苦戦することが予想される。65インチのMiniLED LCD TV、QD-OLED TV、WOLED TVの平均価格と出荷台数見通しをグラフに示した。続きを読む